「言葉にできる」は武器になる。 梅田悟司
人を「動かす」ことはできない。
「動きたくなる」空気をつくる。
本書p54
【Three Points】
①電通コピーライターが教える、思考を言葉にする方法。
②「内なる言葉」に耳を傾けることから、全てがはじまる。
③「考えるつもりだけど、人に伝える際に言葉が詰まってしまう」人、読むべき。
【背景】
『1分で話せ』の著者:伊藤羊一さんが京大に来た。正確に言うと大学近くのカフェに来た。
そのカフェで、「伝え方講座」が開催された。簡潔に話すことに苦手意識を持っていたので、僕は講座に参加した。
講座は無料で、ほぼ100パーセント『1分で話せ』の復習だった。「実際に話してみよう!」の時間があり、学びを実践できたのは、「使える知識にする」という点で有意義だった。
だが、最も気づきがあったのは、「話し方」でなく「話す内容」についての発見だ。
要するに、僕は話し方よりも、思考の言語化のほうに問題がある。ということが、講座を通じて発見できた。
では、どうするか。また、「言語化するにはどうするか?」について書かれた本を探すのである。
「言葉にできない」ことは、「考えていない」のと同じである。というコピーに惹かれて、買った書籍がこちらだ。
電通のベテランコピーライターによる書籍ということで、それなりに内容は期待できるだろうとも思い購入を決めた。
【内容】
①言葉には、「形式」と「内容」がある。
言葉の形式とは、言葉を伝える際のテクニックと言葉の構成を指す。例えば、比喩や反復などレトリックの部分から、プレゼンのときにはあえて黙る部分を作るなどのプレゼン技術、文字数などもあてはまる。
言葉の内容とは、伝えようとする情報部分である。例えば「僕は君のことが好きだ」という文章の内容は、「僕」が「君」に「好意を持っている」というものだ。
形式と内容は一対一ではない。
「僕はあなたが好き」
という文章でも使う文字(形式)は違えど、「僕」が「君」に「好意を持っている」という内容は同じだ。
②「内容」を濃くしなければ、伝わらない。
内容とは、自身の意見である。
意見を自分の中に作ることは、伝えるための第一歩である。なぜなら、意見がスカスカなのに、形式だけを凝っていても、熱が込められず、聴き手に伝わらないからだ。
確たる内容の「解像度をあげる」ことが、テクニックを磨く前に必要だと筆者は繰り返し主張する。
③ではどのようにして内容を深めるか。
筆者の提案する方法は3stepである。
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「自分の内なる言葉」に耳を傾ける習慣を作り
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「内なる言葉」を書き出し、
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「広め、深める」ことである。
一読した僕の解釈を書いておくとこうなります。
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感動したこと、脳裏によぎった感想を言語化する癖をつける。例えば、「金持ちになりたい!」というなら、まず自分が「金持ちになりたい!」という感想を抱いたことを意識する。
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そしてその「金持ちになりたい!」という言葉をを紙に書き出す。
この3STEPに関しては、本書に詳細に書かれているので、興味がある人は是非読んでください。この本の大トロ部分だと思います。
【最大の学び】
「内なる言葉」に耳を傾ける意識を常に持つことが、意見を持つことの基礎になっている。
【オススメする人】
・日頃の自分の意見を言うのに詰まる人
・考えてるつもりが、人前で伝えることができないという状況に苦しんでいる人
・心に刺さる言葉で、他人に「動きたい」と思ってほしい人
気持ちを整理し、さらけ出す。
その熱量に心は動かされる。
本書p152